そもそも消防団とは
そもそも、日本の消防は主として2つの組織からなっています。それが、消防本部と呼ばれる常備消防と、消防団と呼ばれる非常備消防です。
私達渭北分団、引いては徳島市消防団は、名前の通り後者の非常備消防です。では、非常備消防である消防団は、どういう組織かご存知でしょうか。
消防団の起源
消防団の起源は、江戸時代にまで遡ります。
戦国時代の後、安定した社会の下繁栄した都市では火災が頻発。木造長屋が密集していた当時では、火災の被害も甚大なものとなっていました。
当時の江戸では火災への備えとして、幕府による「武家火消(ぶけびけし)」と町民による「町火消(まちびけし)」を組織しました。これが、歴史の中で再編・改組等を経て、現在の消防本部(消防局)と消防団へと至ります。
消防団の立ち位置
戦後、常備消防の拡充に伴い、2011(平成23)年には全市町村の97.8%が常備消防を整備するに至りました(総務省消防庁=編, 『平成23年度版消防白書』, 2012)。
ですが、常備消防がない町村は勿論の事、基本的に日本の全市町村に消防団が整備されています。
地域によって消防団の立ち位置は微妙に異なりますが、基本的なスタンスは全国共通。「自分達の地域は自分達で守る」の精神をモットーに、常日頃から広報・訓練・消火・救助・水防等の活動にあたっています。
消防団員の働き
消防団員は一般市民であり、平常時は各自の職業において勤務又は学校で勉学に取り組んでいます。しかしながら、訓練・広報・あるいはひとたび災害が発生した場合には、特別職公務員として消防活動に従事します。
一度災害出動すれば数時間消防活動に従事することも珍しくなく、大規模災害や異常気象時には複数日に渡ることもあります。この為、消防団員の活動には職場や家庭の理解と協力も必要になっています。
(右)火災現場で放水活動に当たる渭北分団員
|
|
渭北分団の現勢
渭北分団の管轄
徳島市消防団渭北分団の管轄区域は、次の2地域です。
・渭北地区全域
助任橋・助任本町・下助任町・上助任町
南前川町・中前川町・北前川町
吉野本町・中吉野町・上吉野町・東吉野町
南常三島町・中常三島町・北常三島町
・内町地区の一部
徳島町・幸町・寺島本町東・寺島本町西
元町・藍場町・一番町・八百屋町
通町・中通町・新内町・南内町
出来島本町・南出来島町・北出来島町・両国本町
内町地区には分団が存在しない為、西側約3分の2が渭北分団の管轄となっています。尚、東側3分の1は渭東分団の管轄です。
(右)徳島市消防団渭北分団管轄区域図[※より大きな地図でみる]
|
|
渭北分団の出動区分
災害の発生地域と規模程度によって、渭北分団が出動するかどうかは決められます。一般の災害であれば、主に次の区分によって出動指令が下されます。
・第一出動
渭北地区・内町地区・新町地区(眉山町茂助ヶ原を除く)
加茂(東)地区(天神橋の通りより東側)
・第二出動
佐古地区・渭東地区・応神地区・川内地区
加茂(西)地区(天神橋の通りより西側)
・第三出動
新町地区(眉山町茂助ヶ原)・東富田地区・西富田地区
昭和地区・八万地区・加茂名地区・不動地区・国府地区
・第四出動
津田地区・多家良地区・勝占地区
・特命出動
上八万地区・入田地区
隣接地区火災については当該分団分団長の判断により出動することができる他、出動に関しては徳島市警防規定(消防局訓令第2号)第3章災害出動によります。
(右)徳島市消防団渭北分団出動区分図[※より大きな地図でみる]
|
|
渭北分団の出動まで
119番通報等によって消防が災害を覚知すると、すぐさま通報内容に基いて出動指令を下します。
これを消防無線や電子メールによる出動指令で覚知した分団員は、ただちに詰所に駆けつけ、駆けつけ次第消防車に乗り出動します。
渭北分団の組織・人員
階級 | 分団長 | 副分団長 | 部長 | 班長 | 団員 | 合計 |
定員(人) | 1 | 2 | 2 | 3 | 20 | 28 |
渭北分団では、以上の組織及び人員で管内引いては徳島市の消防に当たっています。
※各役職やその定員数については、徳島市消防団規則(規則第79号)第3条によります。
※渭北分団員になることをご希望の方は、分団員募集についてのページをご覧ください。
渭北分団の資機材等
渭北分団には、消防ポンプ自動車CD-Ⅱ型が1台配備されており、各種ホースや管鎗(ホースの先に結合する筒先)は勿論のこと、泡消火剤・発電機・投光機・呼吸器・アスベスト対応型防塵マスク・鳶口・万能斧・折り畳み梯子等を積載しています。
最大乗員は7人で、出動時には分団員がこの消防車で現場へ駆けつけます。
(右)渭北分団の消防車
|
|
渭北分団の活動
消火・救助・水防活動
消防団の主たる活動は消火活動で、徳島市消防団もその例外ではありません。火災が発生すれば、それぞれの本業を一時離れ、防火服に身を包んで消火活動に当たります。
徳島市消防団では通常の消火活動の他、交通事故等による火災警戒・水難事故等による救助・風水害等による水防警戒等の活動にも出動します。
過去の出動については、出動履歴からご確認いただけます。
(右)渭北分団の消防車と消火活動に当たる渭北分団員
|
|
訓練・広報等の活動
渭北分団の行う現場活動は多岐に渡りますが、これらに対応できる力を身に付ける為には訓練が欠かせません。更に近年複雑化する災害に対応すべく、訓練も多様化してきています。また、災害の発生を未然に防ぐ広報も重要な活動の1つであり、こちらにも力を入れています。
過去の訓練・広報等の活動については、活動履歴からご確認いただけます。
(右)徳島市消防局東消防署における渭北分団の訓練の様子
|
|