防災ヘルメットの働き
消防隊員と言えば、必ずイメージされる資機材の1つがヘルメット。正面に煌めく消防章・消防団章や、ぐるりとヘルメットを一周する階級周章は、普通のヘルメットと一線を画します。
さらに個々によって異なる、部隊章・本部名・ゴーグル・ヘッドライト等が取り付けられた姿には機能美さえ感じ取れます。
そんなヘルメットは、皆さんもご存知の通り、落下物・飛来物等から装着者の頭部を保護する役割を担います。勿論そればかりではなく、隊員が高所から転落・墜落した際や、うっかりどこかに頭をぶつけた際にも力を発揮します。
防災ヘルメットの仕様
本記事を掲載した時期(2015年1月頃)、徳島市消防団渭北分団で主に使用されているヘルメットは、株式会社SHOEIのP-3W型ヘルメットです。
消防団章を正面に配し、ヘルメット下端部はゴムでカバー。ほぼ一周する様に反射テープを貼り付けており、左右部は反射テープを一旦止め、階級周章をマークしています。
この他、写真には見えませんが、顎紐は一般的なベルト式で、チンカップ(顎受け)は白色となっています。
徳島市消防団全体で一括して納入してもらっている為、渭北分団に限らず、徳島市消防団の各分団・各班で概ねこの仕様が標準になっています。
ちなみに、徳島市消防局の防災ヘルメットとはやや仕様が異なり、大きな違いだと組織名を記していない点があります(徳島市消防局は防災ヘルメットの横部分に明記)。
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防災ヘルメットの変遷
半球状という基本的なスタイルは、昔から今まで全ての防災ヘルメットに共通しています。
でも、細かな形状は段々と改良されています。反射テープ等が新たに採用され、階級周章もより見やすい赤色に変更される等、視認性の向上等が図られ、より安全な防災ヘルメットに進化しています。
この他、消防団章がピンズ・バッヂからシールへの変更されている等、仔細な変更も沢山見られます。
防災ヘルメットのカスタマイズ
防災ヘルメットは個人資機材の為、基本的にどれが誰の物なのかが決まっています。この為、隊員によって必要なカスタマイズを施しています。
とは言え、ヘルメット自体をカラフルにペイントしたり、金属で「愛」という文字を型取って取り付ける訳ではありません。例えば、よく防災ヘルメットに取り付けられるのは、ゴーグルやヘッドライトですね。
それ以外にも、所属・部隊・氏名等をテプラ(名前シール)等で記す場合も多く、これは各地の消防局・消防本部・消防団でもよく行われています。
また、職業柄ヘルメットを被る人にはお馴染みな、ヘルメット用のインナー(吸汗機能やムレ防止機能が付いた物があります)等を取り付ける人もいます。
(右上) ヘッドライトとゴーグルを取り付けた防災ヘルメット。
(右下) 防災ヘルメット内側。左側に見える灰色の布は吸汗シート。
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防災ヘルメットの活躍場所
防災ヘルメットは、保安帽と呼ばれたりもします。つまり、災害現場等ではなく、整備点検時や防火衣を着装しない訓練時(場合によっては防火衣を着装した訓練でも用います)等を中心に用いられています。
災害現場であっても、救助・水防出動を中心に防火衣を用いない場合や、視野を確保したい場合、指揮者・機関員(消防車の運転・操作員)の場合は、防災ヘルメットを着装して活動にあたる事もあります。
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